山川太心さん・寿子さんご夫妻は30年越しの夢を実現させて下田に移住しました。寿子さんが振り返ります。
「結婚前からふたりでいろいろな海に行っていました。下田の入田浜は、初めて来たときに魅せられてしまって、“いつかは住みたいね”と話していたんです。海の色と砂の色がすてきで、ビーチにコンクリートがない。静かな、おとなの雰囲気が好きです」
いろいろなタイミングが合ったことで、ご夫妻の移住は実現しました。太心さんが言います。
「私はウェブサイト制作やシステム開発をする会社に勤めていますが、働き方改革で、会社がリモートワークを試してみたんです。当時は千葉県の松戸から東京に通勤していましたが、自宅で仕事をしても問題がないことがわかりました。それなら下田にだって住めるということで、毎月、土日を使って家を探しに来るようになりました」
毎月来たのは、下田の気候を知るため。また、住民になったつもりで下田の街を歩くことで、下田をより深く知ることでした。
「お店も訪ね歩きました。港の近くのお寿司屋さんやペリーロードのソウルバーでカウンターに座っていると、地元の方を紹介してくれて、ますます下田が好きになりましたね」(寿子さん)
移住が決定的になったのは、下田市が空き家バンクの事業をスタートさせ、入田浜の近くに、広さもちょうどいい物件を見つけたからです。
「築70〜80年だと思います。時が止まったようになっていました。DIYに目覚めて、少しずつ、暮らしやすいように直していったんです」(太心さん)
ご夫妻は、休みが合うとき、入田浜に出かけます。スーパーや直売所で地魚を買ってきて、料理するのも楽しみです。
「下田に住んでみると、想像していたとおりでした。子供たちが独立したこともありますが、気持ちにゆとりができて、落ち着いたという感じです。こちらに来て、医療施設の仕事を見つけました。その行き帰りに、風景を見るだけで癒されます」(寿子さん)
定年だけが人生の節目ではありません。山川さんご夫妻は、憧れていた海の近くに住むことで、豊かな第二の人生を過ごしています。
下田市空き家バンク
下田市内の空き家を売りたい人、貸したい人が登録。空き家の利用希望者との橋渡しをしている。空き家バンクを利用した際の手数料などはない。契約は、不動産会社に仲介を依頼する方法と、相対で取引する方法がある。詳しくはWEBでご確認ください。