1969年に全日本サーフィン選手権大会で優勝し、翌年にはオーストラリアで開催された世界選手権に日本人として初めて出場。日本のサーフィン文化の黎明期から第一人者として活躍したドジ井坂さんは、現在、一般社団法人ビーチクラブ全国ネットワークの代表理事を務めています。50年以上にわたり、多彩な活動をしているドジ井坂さんですが、一貫するのは、さまざまな楽しみのある海岸の可能性を追い求めていることです。
「アメリカ文化に憧れていて、休日には東京の映画館に行き、早朝割引でアメリカ映画を観て、帰りには洋書店でアメリカの本を探す、生意気な中学生でした。洋書のなかにサーフボードの作り方の記事を見つけて、自作しました」
ビーチでの遊びといえば海水浴の時代に、地元の茅ヶ崎でサーフィンを始め、めきめき腕を上げていきました。日本のチャンピオンとして世界を舞台にするようになると、大きな衝撃を受けます。
「カリフォルニアやオーストラリアでは、みんなが自由に海を楽しんでいるんですね。波がなくても風があれば風で遊べる。釣りだってできる。ひとつのものをやる場所ではないんですよ、海は。その日のコンディションに自分が対応すればいいんです」
1992年設立の湘南ひらつかビーチクラブに始まったビーチクラブの活動は全国展開し、2010年、下田ビーチクラブが設立されました。
「毎月第3土曜日に白浜で開催し、冬には砂浜の斜面でサンドサーフィンをしたり、NASAが開発したスポーツカイトで風と遊んだり、大きなシャボン玉飛ばしをしたりしています。ビーチは子供からお年寄りまで、それぞれの季節や海の変化を遊べる場所なのです」
ビーチクラブの活動には、ゴミの調査や砂の移動の調査といった実践フィールドワークの「海岸学」もあります。世界の海を知っているからこそ、土地ごとに違う海岸の姿をいつまでも残したいと考えるのでしょう。
「下田の海はとてもきれいですよ。きれいだから行きたくなる。サーファーとしても、伊豆半島は海が東西に面しているので、風向きにより陸風・海風まったく異なる波や遊びを楽しめます」
下田の海岸に行けば、だれもが自分にとっての“ここが好き!”を見つけることでしょう。
下田ビーチクラブ
2010年設立。毎月第3土曜に白浜で定例活動をしている。「海の変化をマルチに遊ぶ」「必要以上にお金をかけずに遊ぶ」「ビーチを生活圏として通年遊ぶ」「新しい遊びにトライする」「子供から大人まで一緒に遊ぶ」に加えて、「海洋学」の実践が活動のテーマ。
し~もん
し~もんは、釣り、ダイビング、シュノーケリング、サーフィン、操船体験、ビーチヨガ、ノルディックウォーキング、里山体験といった下田のアウトドア・自然体験の案内所。各分野のインストラクターも紹介。下田市事業「世界一の海づくりプロジェクト」の一貫で開設されており、下田ビーチクラブとも連携している。