YOSHIKAさんは5月25日にメジャーデビューするシンガー。でも、その歌声はすでに数百万かそれ以上の人が耳にしているはずだし、熱心な音楽ファンは彼女の存在にも注目していたと思う。3年ほど前、デジタルカメラのTV-CMで「JOLIE」(Al Kooperの名曲で90年代にはフリーソウルの人気曲となった)のカヴァーを歌っていたのがYOSHIKAさんなのだ。CM関係者が彼女を起用した理由は、洋楽をナチュラルに歌うセンスにあったのだろう。彼女は計4年間にわたり、2度の海外生活を経験している。
「11歳から12歳にかけての1年半は父の仕事の関係でカナダに住んでいました。地元の子が行く学校に通って、最初はとまどっちゃって、ぜんぜん溶け込めなかったんですけど、いつの間にかっていう感じで英語が理解できるようになっていました。音楽をちゃんと聴きだしたのもそのころです。ラジオをかければ向こうの音楽が流れているし、6歳上の姉が聴いている洋楽に触れて、いいなあと思っていましたね。TLCとかリピートして聴いていて、いまでもすっごい好きです」
2回目の海外生活は高校2年生のときから。自分で希望して、ホームステイしながらカリフォルニアの高校に留学した。
「卒業するまでの2年半ぐらいです。その学校では周りの人に勧められて、チャペルに集まるみんなの前で賛美歌を歌っていました」
帰国して間もなく、「JOLIE」をレコーディング。CMで流れはじめると評判を呼び、2003年にはインディーズからシングル「JOLIE」とアルバム『STRAIGHT AHEAD』(作詞/作曲/コーラスアレンジの才能も発揮)をリリース。そして昨年は、アルバムを聴いて気に入ったm-floからオファーがあり、m-flo loves YOSHIKA名義のシングル「let go」でフィーチャーされた。
メジャーデビュー曲「Call Me」は、YOSHIKAと食事をしたBONNIE PINKが、彼女の印象を踏まえて作詞作曲した書き下ろし。R&B系のミディアムで、初夏の風のようにさわやかだ。
「BONNIE PINKさんは学生のころから好きだったから、すごい光栄です。とてもBONNIEさんらしい曲と思うので、自分らしさをどうやったら出せるだろうかと、いろいろ考えて歌いました。いい感じで雰囲気つくれたかなと思いますね」
カップリングの「Sunshine」は彼女自身が歌詞とメロディを書き、コーラスアレンジも担当。英語詞という点に彼女らしさが表われている。
「日本語だと、しっかりしようとしちゃうんですよ。英語になるとあまり気を張らずに、ストレートな気持ちを表現しやすいんです」
贈り物にしたい1曲として、たくさんの候補の中から選んだのはTLCの「Turntable」だ。
「私の大好きな曲です。何かにつまずいて、気持ちが弱っている人、これ聴いて、元気になってください!」
text by Akira Asaba
photo by Atsuko Takagi
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