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クリエイターのインテリア
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クリエイターのインテリア

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上から左から
●ニューヨークの摩天楼のパネルは裏にライティングをしかけたもの。●上の写真の反対側になる壁。写真のテーマが共通なので部屋に統一感がもてる。●エルミタージュ美術館、レンブラントの絵を中心にした美しい写真。●エッフェル塔のブルー・バージョン。●パリの街並み。●作業室にも思い出のロシアの写真。顧客の注文に応じてパネルを作成する。●大切な仕事道具「20×25」

 祖国デンマークから18歳のときにパリにやってきたウィニーさん。美しい街並み、優雅な香水、素晴らしい文学、そんなフランスのイメージに憧れていたのだそうだ。カメラマンになったのは、こうして暮らし始めたパリで偶然に出会った1枚の写真からだった。1枚の写真「ベトナム戦地で悲しみにくれる少女」。その報道写真のインパクトが彼女を生涯写真家になる道へとつき動かしたのだ。プロ・カメラマンのアシスタントをしながら写真を学んだ。そしてユネスコの世界遺産の撮影に、数十キロはあろうかと思われる20×25の大判カメラ一式とともに、エジプト、トルコ、シリア、ロシア……と世界中を旅してまわった。その大判カメラは今も彼女の貴重な仕事道具である。

 数世紀にわたって生きてきた遺産を撮る旅から、いつしか彼女の対象は現代建築物へと変わってきた。ニューヨーク、上海、北京にドバイ。街に次々と生まれる近代建築物の驚くべき美しさに惹かれ、粘り強く、自分が納得するまで対象物に向かっていく。上海では高層ビルに住む一般の中国人宅に頼み込み、数日間カメラを据えさせてもらった経験もある。

 彼女が住まいを構えるパリの風景も好きだ。カメラマンなら誰もが一度は撮影するエッフェル塔も、人とは違う方法で表現してみせる、とがんばった。現在のエッフェル塔は陽が沈み、ダークブルーの空がバックに広がり始めると、毎時0分から10分間、きらきらと白く輝くライティングがライトアップされた塔に重なる仕掛けがされている。2000年に始まった、この世界で最高に美しいライティングのニュースを知って、彼女は夜のエッフェル塔にレンズを向け続けた。「私は目標に到達するまでやる。チャレンジする。これが私の好きなことなの」(ウィニーさん)。

 現在、彼女が住むのはパリ北部にあるアパルトマン。数ある部屋のうち1つはスタジオに、もう1部屋をパソコンを使う画像処理用の仕事場として使っている。ここは6年前に引っ越してきた借家である。実は長年にわたる旅の疲れのせいもあり、健康を気遣いながら、今は腰を落ち着けて作業に専念している。

 アパルトマンには彼女の作品があちらこちらにインテリアの一部として馴染み、ミステリアスな光を放つエッフェル塔や世界の美しい街の風景が見る人を不思議な空間へといざなってくれる。ウィニーがほっと落ち着くスペースはキッチンとオープンになったダイニング・スペース。これまで何度も引っ越しをしたらしいが、そのたびに壁を塗り直し、家具やインテリアのスタイルを変えてきた。今回はスペースの1面だけを真っ赤に塗り、鉄のエッフェル塔を下からおさえた作品を飾っている。妹さんからもらったというガラスの丸テーブルの周りに集めたふぞろいな椅子がいい。写真に映った精密なイメージとは対照的に、ばっちりと決めすぎないラフさがこの人のセンスの良さだろうか。「私にとって一番大切なものは写真。家にかけられるお金はすべて写真にかけてきたから」と話してくれたウィニー。“鉄”の意思を持つ女性写真家との出会いだった。

ウィニー・デンカーさん ウィニー・デンカー/Winnie Denker
www.winniedenker.eu

TEXT:中平美紀 PHOTOS:Jacques Pepion
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