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Media Spice!
松木直也のマイイートロード
 *** No.8

アタッシュドプレス 糸賀洋子さんが好きな


今回のゲストは、フード界を中心にPRディレクターとしてご活躍中の糸賀洋子さん。職種をひとことでいうならばアタッシュドプレス(広報担当)。レストランからPRを依頼されたり企業から相談を受けたりとそのフィールドは広い。実績と信頼だけの厳しい世界だ。
今回はスペシャルゲストに、糸賀さんと十数年来のおつきあいという
トゥーランドット総料理長脇屋友詞氏をお迎えして、糸賀さんの仕事ぶりを紹介します。また、スパイス!読者のために脇屋シェフが特製サラダを作ってくださいました。

 ここ数年で、デパートの地下食料品売場は、ワインやチーズ専門店、オーガニック食品などが扱われるようになり、イート・インのスペースも増えバラエティも豊かになってきた。
 さて、そんなデパ地下に、糸賀さんは「シェフサラダ」を仕掛けたのである。1999年春、熊谷喜八シェフの無国籍風サラダを第一弾に「RF1と12人のスーパーシェフ」シリーズがスタートした。
 12人とは、今回特別ゲストとしてご登場願った脇屋友詞氏をはじめ、三國清三氏、石鍋裕氏など、日本を代表するシェフ達で、糸賀さんはメーカーと共に企画立案しシェフにそれぞれサラダというテーマだけで交渉を開始する。その熱意とアイデアにシェフ達は快諾したのであった。
 

糸賀洋子(いとがようこ)さん

アパレルのプレスなどを経て、1986年よりフリーに。
レストランのプロデューサー松尾晋平氏のPRを機に食の分野に進出。
井上絵美氏、藤野真紀子氏ほか料理研究家やシェフの人物PR、KIHACHI、東京食堂セントラルミクニズをはじめ多数のレストランやショップのオープニングPR、テレビ番組や雑誌記事の企画コーディネート、料理教室の立ち上げなど食の世界を中心に、幅広い分野でのPRディレクターとして活躍。
 デパ地下では当代の人気シェフのオリジナルサラダが月替りで楽しめるとあって、また海外からもアリス・ウオーターさん(バークレーでオーガニックレストラン、シェ・パニーズを経営する伝説的存在)が参加し、とにもかくにも前代未聞の凄い企画になってしまったのだ。
 糸賀さんは「ある時デパートで有名料理研究家のお総菜を見かけたら、なんだか輝きがなくて、これじゃ料理家も総菜もかわいそう、って思ったんです。この企画のそもそもはそれがヒントです」と語る。
 さて、今回特別にサラダを作ってくださったトゥーランドット脇屋友詞総料理長は、糸賀さんの幅広い交友録の中でも、特別な存在。偶然にも撮影日は脇屋シェフ44歳の誕生日だった。彼女は照れながらプレゼントを渡した。
「脇屋さんは、ひとことでいうと懐が広くてあたたかい人。常に時代をキャッチして前進しているシェフ。サラダという中国料理にはないカテゴリーも柔軟な発想と感覚で、RF1のときもオリジナリティ溢れるメニューを考えてくださいました」
「糸賀さんには、たまに夜中に電話して仕事の相談にのってもらったりします。何でも話せる姉ご的存在かな」と脇屋シェフ。
 また彼女は、これまでPRが手薄だった日本の飲食店業界にプレスという存在をアピールし、その重要性を実践した先駆者でもある。
「最近食の仕事への関心が集まってきていると同時に、同じ職種の方たちが増えてきました。仲間が増えることによって自分の仕事の理解者が増える。だからまた"自分も頑張らなくちゃ!"という感じです」
 また「アリス・ウオーターさんがサラダを作ってくださったとき、その作る手がやっぱりお母さんの手付きで、素材も輝いていた。
それから、美味しいものはやっぱりきれいですよね」とも話してくれた。
 糸賀さんの仕事はレストランのテーブルにある華やかさとは違い、地道に裏方に徹しながら、その華やかさをPRという形で広めていくのである。現場を知り、料理人やオーナーから信頼されないとこの仕事は任せてもらえない。
 彼女の場合、実績がもうすでに一人歩きしている。


トゥーランドット游仙境 横浜店

横浜市西区みなとみらい2-3-7
パンパシフィックホテル横浜3F
TEL.045-682-0361

伝統的な上海料理をベースとしながらも、脇屋友詞総料理長による常に新しく斬新な発想を取り入れた中国料理が楽しめるトゥーランドット游仙境。コースメニューは、従来の中国料理のように大皿から取り分けるのではなく、一人一皿ずつ給仕されるフレンチスタイル。脇屋シェフによるオリジナリティ溢れる繊細で感性豊かなヌーベル・シノワが堪能できる。
"鮮 露 筍 拌 燻 鶏"
 アスパラガスと鶏ササミサラダ
 チャイナゆずこしょう
脇屋シェフが、今回スパイス!読者のために特別に作ってくださったサラダは、おいしさや美しさはもちろん、香りにもこだわった一皿。
「たとえばアロマテラピーを楽しむように、料理の香りでも心を和ませ、一時の憩いの時を感じてくれたら」
そんな脇屋シェフならではの細やかな心遣いと、素材や調味料ひとつひとつが生き生きと魅力を放つ「鮮露筍拌燻鶏」は、アスパラガスのシャキッと引き締まった歯ごたえと、山椒やゆずのほのかな香りが印象的な初夏に似合う爽やかな一品。
「お酒がおいしくなるサラダですね。白いごはんにも合う!」と、糸賀さん。読者の皆さんも、ぜひお試しを。
<材料>(約2人分)
アスパラガス 5〜6本、生地鶏ササミ 3枚、エンダイブ 少々

<調味料>
(A)水 2.5カップ、オレンジ絞り汁 75cc、塩 75g
(B)烏龍茶 大さじ3、砂糖 35g、米 50g、粉山椒、ライム、ゆず等各適宜
(C)ゆずこしょう 大さじ2.5、太白ゴマ油 大さじ4、本膳醤油 大さじ1、純米酢 大さじ2.5

<下準備>
オレンジの塩水を作る。
(A)の材料を全て鍋に入れて一度沸騰させ、冷ましておく。

<作り方>
1 アスパラガスは下の部分のかたい所は切り、皮をむいて5〜6cmの棒状に切る。
2 生地鶏のササミを包丁で平らにならし(A)のオレンジの塩水に5〜10分漬け込み、セイロで5〜6分蒸す。
3 (B)をよく混ぜ合わせ、アルミホイルを直径8〜10cmの皿状にした中に液を入れる。それを中華鍋に置き、火をつけ、砂糖が溶けて煙が出てきたら火を弱め、金網(揚げ物用のバットについている物、焼き網など中華鍋の途中で留まる大きさの物ならどんな金網でもよい)に、2のササミの水気を軽く切って網にのせる。
4 3にボールでふたをして1〜2分間燻す。
5 燻したササミを横に裂くように手でちぎる。
6 鍋にたっぷりのお湯を沸かしてアスパラガスをボイルし、サッと冷水で冷やし水気を切る。
7 5のササミと6のアスパラガスをボールに入れ、(C)のドレッシングで混ぜ食す。


デパートの総菜売場に新風を吹き込んだ『サラダなら、まかせなさい!』RF1と12人のスーパーシェフシリーズは、レシピ本として1冊にまとめられた。12人のシェフによる全オリジナルレシピが美しい写真と共に紹介されているサラダファン必携の魅惑の料理本。
世界文化社刊 定価1,200円+税
(写真:中野博安)
ポテトバンバンジー なす・いんげんのピリ辛サラダ
つるつるチャイニーズ
冷やしそば
金針菜と子大豆もやしのサラダ
この企画は、大好評ながらも予定通り1年間で幕を閉じた。
当時月替りで登場したシェフのサラダとともに、PR用に配られたパンフレットとリーフレットには、それぞれの制作秘話や魅力が糸賀さん自身の臨場感溢れる素直な言葉で紹介されている。
読んだら必ず食べたくなる!
楽しいレター通信は、知人達からも評判だったとか。こうした糸賀さんの熱意と細やかな仕事ぶりが、数々のスーパーシェフをも動かす力に変わるのだろう。
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