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松木直也のマイイートロード
***No.53

美食&文化プロモーター ジェニファー・ジュリアンさんの
「オイシイ・タノシイ・デ・ヨロコバス」
フランス式パーティの楽しみ方


今回のゲストは、美食&文化プロモーターとして活躍しているジェニファー・ジュリアンさん。1997年に来日し、フランスの食や文化のことはもちろん、日本の主婦の気持ちも理解しているジェニファーさんに、とっておきのパーティメニューやフランスならではのパーティの楽しみ方などを教えてもらいました。

Photo:Shinsaku Kato   Special Thanks:Kanako Teshigawara

美食&文化プロモーター ジェニファー・ジュリアンさんの「オイシイ・タノシイ・デ・ヨロコバス」フランス式パーティの楽しみ方


 1997年に来日したジェニファー・ジュリアンさんは、日本語が堪能で、ジョークも上手だ。現在は、フランスの食と文化のアドバイザー、レストラン運営サポート、貿易コンサルティングなど幅広い分野で活躍している。

 今回は、そんなジェニファーさんに手軽に作れるフランス式パーティメニューを教えていただいた。ジェニファーさんは、今年の4月からテレビ番組『テレビでフランス語』(NHK教育)で料理コーナーを担当。そこで紹介するフランスの家庭料理が「わかりやすくて作っていて楽しい。メルシーボク…」と多くの視聴者に好評なのだ。彼女は日本人男性と結婚し現在東京で生活する、いわば“日本の主婦の気持ちが分かるフランス人”。そしてお人柄がざっくばらん、なんとなくコリン星から来たゆうこりんみたいに神秘的でもあった。お会いするなり、ジェニコリンは「日本の方はフランス料理をムズかしく考えすぎています」と紙袋に入ったピスタチオやナッツを見せてくださり、「パーティではこういうのがあると助かりますね」と笑顔で話してくれた。

 まずはジェニファーさんと、鎌倉の野菜生産者・斉藤照子さんの畑へ伺った。

 斉藤さんは鎌倉地野菜作りの名手で、その存在は心強く、いつお伺いしても何かに挑戦している。ジェニファーさんは、珍しい四角豆を口にして「毎日こんな野菜が食べられたらいいのに!」と喜ぶ。また、斉藤さんから畑のニンジンの抜き方を教わりトライする。最近はフランスの料理人たちも日本の野菜に熱い視線を注ぎ、それは、日本の「旨味」を理解しようとする向上心からきている。

 今回は、先日、“フレンチの神様”と称される巨匠ジョエル・ロブションの料理本『ジョエル・ロブションのすべて』の日本語版の翻訳をつとめたテッシーこと勅使河原加奈子さんも同行(テッシーがジェニコリンを紹介してくれました)。

 いよいよ、北鎌倉の豪邸ではなく某邸で調理スタート。斉藤さんからいただいたトマト、ルッコラ、また鶏肉やきのこなどを購入し、さらにテッシーが持ってきてくれたチーズ、ジェニファーさんからのワイン。パーティっていうのは、台所にこれから食べるぞ!飲むぞ!という材料が並ぶとワクワクしてくる。

 本日のメニューは、ジェニファーさんが「チキンモモ肉のグリル&茸のフリカッセ」と「トマト&モッツァレラのサラダ」の2品を担当。

「フランス料理は“ムズかしい”と思われがちですが、それはちがいます。フランス人が家庭で日常的に作る料理って、実は10分〜20分ほどでできる簡単なものなんですよ」

 たしかに、フランス料理というと、かしこまったイメージがあるけど、今回教えてもらったのは驚くほどカンタン(レシピ参照)。
「とにかくいい素材は活かすこと。本当に美味しいものなら、日本の素材でも塩・コショウ、そしてバターかオリーブオイルさえあればフレンチになります。ぜひ、近所のスーパーで買い物をして作ってみてください。誰でも必ずフランスの味が出せると思いますよ」

 ところで、フランス式パーティを楽しむには「食前酒(アペリティフ)」の存在が気になるが、ジェニファーさんは「フランスの家庭にはよく食前酒専用のコーナーがあり、家族や友人はもちろん、急に近所の方が来たときでも『食前酒飲む?』という感じで気軽に楽しみます。決してムズかしいルールはありません。シャンパンが好きな人はシャンパン、白ワインが好きな人は白ワイン、もちろんビールも。お酒が苦手な人はジュースを飲んだりと、好きなものを楽しめばいいんです」と。

 つまり、あまり深く考えず自由に楽しめばいいってこと。私なんか「ちょっとアペリティフでも、どう?」って誘って何度いい思いをしたことか?(飲み過ぎにて失敗も多し)

 さて、最後にジェニファーさんは、パーティをより楽しむ秘訣をこう教えてくれた。

「フランス風のパーティをしよう!と思っていろいろ勉強するのも大事なことですが、無理矢理マネをする必要はありません。ある程度コツを掴めば、あとは自分のセンスでいいんです。自己流に料理をアレンジして、ワインもお魚だったら白、お肉だったら赤と決めつけるのではなく、自分で試して美味しいのがベスト。もちろんベーシックなルールはありますが、ワインは生き物ですから飲む人によって好みはそれぞれ。でも、いちばん大切なのは、“自分が楽しむ”ということ。自分が楽しければ、相手にもその気持ちが必ず伝わるので、みんなも楽しいんですよ!」

  いかにゲストをもてなすか? とムズかしく考えるのではなく、自分が楽しむことでゲストを喜ばせる。そして、今の時代、なんといっても会費制。ワインは持ち込みとか、後片づけはみんなでがいいですね。それでは、皆さんも素敵なパーティをお楽しみください。

 
PROFILE
ジェニファー・ジュリアンさん
フランス・ボルドー出身。海外コーディネートや貿易コンサルティングをしながら、ワイン・美食業界で活躍中。2006年4月〜2008年3月まで『フランス語会話』(NHK教育)に出演し、現在は『テレビでフランス語』(NHK教育)で料理コーナーを担当している。また、オフィシャル・ブログでもフランスの文化や料理を紹介。
http://32591753.at.webry.info/


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…鎌倉野菜の斉藤さんの畑へ…

今、鎌倉駅前にある直売所には24戸の生産者がシフトを組んで販売している。斉藤照子さんもそのなかの一人なのだが、いつ行っても瑞々しい野菜が並ぶ。今回、畑へ伺ったのは2度目だがルッコラとトマトはちがう所にある畑で朝どりし、ここはニンジンや四角豆などが植えてある畑。ジェニファーさんもニンジンを抜いてみたり(これが力がいる)、斉藤さんの仕事に取り組む熱心な姿に強い印象を受けていた。ニンジンは3種、同じ畑に植えていた。 鎌倉野菜の斉藤さんの畑へ

鎌倉野菜の斉藤さんの畑へ

まだ直売所に行ったことがない人がいたらぜひ行って欲しい。目標は鎌倉の『パタゴニア』。販売シフトの関係で斉藤さんが何曜日にいるかは不定だが週に2回はおります。もちろん他の生産者たちもいい野菜を出しており、先日はキュウリの古漬けを買いました。ところで、斉藤さんはアーティチョークまで作っており年間100種ほど野菜を生産しているのです。

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2009年型 パーティの要点と解説

1
ワインはジョークの友だから。
ワインはジョークの友だから。

写真左から
〈赤ワイン〉 Fleur de Clinet 2006(POMEROL) 6,510円
〈白ワイン〉 Domaine de la Ferrandiere Vin de Pays d'Oc Chardonnay 07 1,890円
〈シャンパン〉 Cuvee Sainte Anne Brut / Chartogne Taillet  5,775円

最近ポムロールにはまり、また白は2,000円前後のシャルドネ、そしてシャンパンは、いいものを見つけたそうだ(上記写真参照)。「いろんな地方のワインを試してみると面白いですよ。詳しいことは分からなくても、産地を知っておく程度で十分。フランス人もワインを詳しく知らない人が多いんです(笑)」とジェニファーさん。ムズかしいウンチクを並べるよりも、ワイン飲んでジョーク言って笑いとばすぐらいのほうがパーティは楽しいってもんです。
(問)株式会社フィラディス(赤ワイン&シャンパン) 
横浜市中区元浜町3-21-2 TEL. 045-222-8871 http://www.firadis.co.jp/
GENOS WINE MERCHANT KK(白ワイン) http://item.rakuten.co.jp/winedar/33106023/

ワインはジョークの友だから。

フランス人は、屋外で食事をするのが大好き。同じ料理でも、家の中で食べるのと外で食べるのとでは全然ちがいます。天気のいい日は、ぜひ外で食事をして気分転換といこう! 風邪に注意!クラゲや白菜の甘酢漬け、チャーシュー、蒸し鶏がキレイに並べられた「前菜盛り合わせ」には、スペアミントの刺激が香り立つ「モヒート」がベストマッチ。ちなみに、「モヒート」は作家のアーネスト・ヘミングウェイが愛飲していたことでも有名です。

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2
メインは?なんて考えないで。
メインは?なんて考えないで。

フレンチというと、レストランで出てくるような料理を想像しがちですが、フランスのホームパーティに堅苦しい話は一切ナシ。簡単にできて、なおかつ美味しい料理をサッと作って、つまらなくなくないジョークを連発しよう。


     
 
『チキンモモ肉のグリル&茸のフリカッセ』の作り方


@ フライパンを中火にかけ、バターを溶かしてにんにくスライスを入れ、香りが出てきたら椎茸、舞茸、しめじを投入(きのこは石づきを取って手でお好みの大きさにちぎるとより旨みが出ます)。そこに塩・コショウして水を少し加え、フタをしておく。

A @を火にかけている間に塩・コショウした鶏モモ肉をオーブン(なければフライパンでOK)に入れ、弱火でじっくりグリルする(鶏モモ肉はまず脂が出る皮の面から焼くのがポイント)。

B 鶏モモ肉の両面に程よく焼き色がついたら、頃合いを見てにんにくスライスを入れる(にんにくスライスは適度に焼き目がついたら焦げないよう鶏モモ肉の上に置いておきましょう)。


C @のきのこが柔らかくなったら、生クリームを加える(大さじ5杯程度)。

D BCとルッコラをお皿に盛りつけ、ルッコラにヴィネグレットソースをかけて完成。ちなみに、ヴィネグレットソースはオリーブオイル大さじ3:ヴィネガー大さじ1と塩・コショウ少々が基本ですが、お好みに合わせて調整しよう。

CHECK POINT!
日本人は料理のあとすぐにフライパンを洗いがちですが、ジェニファーさんは、「それはモッタイナイ!」と。鶏モモ肉を焼いたフライパンに残った肉汁の中に茹でたパスタを絡め、おろしチーズと塩・コショウを加えれば、あっという間に料理がもう一品完成します。
 
     
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3
やっぱりチーズは欠かせない。
やっぱりチーズは欠かせない。

フランス式パーティをするなら、チーズにもこだわりたい。今はとても便利な時代で、インターネットで注文して48〜72時間で本場フランスから美味しいチーズが届きます。これはテッシーのグッドアイデア。
ご注文はオンラインチーズショップ『フロマージュ・ドット・コム』
www.fromages.com
(日本語サイトあり)

@ブリヤ・サヴァラン
「トリプルクリーム」といわれる乳脂肪の高い優しい味のチーズ。シャンパンとともにぜひ。
Aコンテ
ジェニファーさんも大好きな、「山のチーズ」の代表格。
後味が長いのが特徴です。
Bクロタン・ドゥ・シャヴィニョール
ほっくりとした味わいの山羊のチーズ。ボジョレーに最適。
Cブルー・ドーヴェルニュ
フランスを代表する、オーヴェルニュ地方の「青カビチーズ」。甘口の貴腐ワインと合わせよう。
Dトム・ド・ベリョック
ピレネー地方の羊乳製のチーズ。地元では、昔からブラックチェリーのジャムと一緒に食べます。
 
やっぱりチーズは欠かせない。

チーズの盛り付けは、紅葉の葉や漆器を取り入れて“日本の秋”をイメージ。一口サイズにしてブドウやイチジク、洋梨など相性のよいフレッシュフルーツを添えれば、チーズが苦手な人でもデザート感覚で楽しめます。プチトマトはハード系のチーズ、くるみはフレッシュの山羊のチーズとともに。

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カンタン、そしてなるほどの小技と後片づけ

カンタン、そしてなるほどの小技と後片づけ

フランスでは、お客さんが来ているときに奥さんが厨房に立ち続けるのは無礼なこと。奥さんも参加することが重要です。そこで、できるだけ奥さんが席を立たずにすむテクニックをご紹介。まず、お客さんが来るまでに料理の下準備を済ませる→お客さんが来たら、食前酒とオリーブやナッツ(スナック菓子でもいい)をふるまう→お客さんが食前酒を楽しんでいる間に料理を仕上げる(奥さんも厨房で食前酒をやや楽しんでもOK)→料理ができたらみんなで席につきワイワイガヤガヤ。これでよし。また、ジェニファーさんは「フランスでは、パーティともなれば主人はもちろん、お客さんまで準備や後片付けを手伝いますよ」と。“男子厨房に入るべからず”なんて言ってる彼は、ダメ。器が極小。準備や片付けといった“過程”をみんなで楽しむのも、フランス式パーティの醍醐味。それは盛り上がるほどに開催者や他のゲストの愛をキャッチすることで、やっぱり女性はジェニコリンのようにどこか神秘的であって欲しい。

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