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Media Spice!
松木直也のマイイートロード
 *** No.23


今回ゲストにお迎えしたのは、日本におけるハーブ研究の第一人者である広田せい子さん。
現在広田さんが最も情熱を注いでいるという、トウガラシの奥深い世界について伺いました。
グリルや煮込みからピッツァまで、トウガラシの持ち味を生かしたアイディアいっぱいの料理もご紹介します。



© Naotaka Hirota
世界に2000とも3000種ともいわれるトウガラシの魅力を探りたいと、ペルー、ジャマイカ、チリ、メキシコ、アメリカ、ハンガリー、中国、ネパール、ミャンマー、インド等々・・・
世界中から種を取り寄せ、自ら種まきから収穫までを行っている広田せい子さん。写真は、現在広田さんが、横浜市内にあるご自分の菜園で栽培しているトウガラシたち。

 唐辛子のいろいろをこんなに見たのは初めてという人、多いのではないでしょうか。これはすべて広田せい子さんが世界中から種を集めて自分の庭や畑で丹精こめて育てた唐辛子なのです。
 アフリカ、アメリカ、インド、韓国、キューバ、グアテマラ、ジャマイカ、チリ、メキシコ、ロシア、ブラジル、ネパール、ペルーなどなど、個性豊かな表情と辛さを持つ唐辛子、よーく考えたら、ないと最も困るスパイスではないでしょうか。(辛いの苦手な人はいるけどね)
 タイ料理ではトムヤンクン、韓国ではキムチ、インドはカレー、イタリアはパスタやピザに、メキシコではチリ・コンカルネ、中国は四川、アメリカではケジャン料理なんかに必要不可欠、日本では熱いうどんや焼き鳥にぱらぱら、食欲増進、汗をかいても気取ってる場合じゃない、なかったら美味しさ半減のスパイスですね。
 さて、広田せい子さんは日本を代表するハーブ研究家、NHKの園芸の番組に出演し、著書も沢山、講演会などもお忙しい。子供の頃から園芸が大好きだったそうで、今でもひとたび畑に出ると時間を忘れてしまい、御主人(写真家の広田尚敬さん)が心配で迎えに行くほど。
 ところで広田さんが唐辛子に興味を持つようになったのは、「父の影響もあるのよ」とおっしゃる。福島の禅寺の娘さんでもある広田さん、「住職の父が発汗作用で頭から湯気がでるくらいの唐辛子好き。それを見て育ったから」と楽しそうに話してくれました。

 それだけではありません。ご本人もハーブでありスパイスでもある唐辛子が大好き。世界各地へ取材で出かけては、土地土地の食文化と伝播歴、品種の同定などハーブ研究家としての見地からも唐辛子と接してきたのです。エピソードもいっぱいあります。最も辛いランクのハバネロを食したとき、ネパールで真っ赤な唐辛子をリースみたいに飾ってあるのを見たとき、ロンドンのスーパーで珍種を発見(?)したときなどなど、広田さん「唐辛子を見ると目に星が出ます」と言う。

© Naotaka Hirota
広田せい子さんプロフィール

英国王立園芸協会日本支部理事、アメリカハーブソサエティ終身名誉会員。幼少期より野の花など自然をこよなく愛し、以来ハーブの研究を続ける。現在は、植物学としての品種の同定、栽培をはじめ、執筆、講演、テレビ出演のほか、子供のための園芸教育にも情熱を注ぐなど幅広く活躍中。ご主人である鉄道写真家の広田尚敬氏との共著も多数。



NHK趣味の園芸ガーデニング21 
広田せい子のキッチンガーデン

NHK出版編 1,365円

広い庭から狭い一坪ガーデンやコンテナ菜園まで、ガーデンプラン例が充実。土づくりから始めて、タネまき、植えつけ、施肥、収穫まで、栽培テクニックを基礎から解説していきます。おすすめ野菜やハーブ約40種について、栽培法はもちろん、料理例のレシピつきで紹介。キッチンガーデンづくりに欠かせない一冊です。

 とにかく広田さんのお話はユーモアに満ちて時間があっというまに経ってしまう。僕が「(広田さんの育てた)この唐辛子を使って料理を作ってください」とだけ言ってお願いしたトラットリア・ピッツェリア「鴎亭」(横浜、伊勢佐木町)では、シェフの荻原さんを始め、「これはどの国のものですか、どのくらい辛いのですか」などと広田さんはスタッフから質問ぜめ。彼らが作ってくれた料理もイタリア料理の世界を活かし、さらに工夫されていて、最近の「鴎亭」の人気が分かるような気がした。
 しかし、美味しくて辛いのは元気になる。いやそればかりではなく広田さんの好奇心あふれるお話を聞いていると元気になってしまう。自宅にはあえて冷房も暖房もとりつけていないそうで、自然環境への配慮にも、頭が下がる思いがした。
 さぁ、また寒くなってきましたね。今夜は、何でピリッといきましょうか?


広田せい子さんと、今回イタリア・ナポリの郷土料理をアレンジしてトウガラシ料理を作ってくれた『鴎亭』スタッフの皆さん。
後列左からデザート担当・井上智さん、ピッツァイオーロ・安済孝耶さん、シェフ・荻原延生さん、支配人・熊谷貢さん、前菜/野菜担当・上田周平さん、ホールマネージャー・池尻太郎さん

 

高温で焼き上げる窯焼きピッツァをはじめ、本場のナポリ料理を手軽に楽しめるイタリア料理の店『鴎亭』。燦々と降り注ぐ太陽と肥沃な大地、そして豊かな海の幸に恵まれる南イタリア・ナポリの陽気な雰囲気そのままに、店ではいつも元気なスタッフが明るく出迎えてくれます。

イタリア料理 鴎亭(かもめてい)

横浜市中区伊勢佐木町1-5-1 
TEL.045-260-0141

OPEN:11:30〜23:30(22:30L.O.)
日・祝日〜22:00(21:00L.O.) 無休
http://www.kamometei.com



A. 骨付き地鶏モモ肉のグリル・ディアボラソース

香ばしく焼き上げた鶏肉に、種を取り除いて輪切りにした唐辛子、玉ねぎのみじん切り、ローズマリーをあめ色になるまでじっくり炒めたソースをあしらいました。唐辛子は彩りも美しいので、飾りとして付け合わせても。

B. いいだこと小玉ねぎのピリ辛トマト煮

トマトソースを煮込む際、唐辛子を丸ごと加えて辛味が出たらサッと引き上げると程良い辛さに仕上がります。また、料理に加えると通常より日持ちも良くなります。覚えておくと便利。

 
C. 唐辛子を練り込んだストラッチャテッレ、
フレッシュポルチーニと生ハムのピエモンテ風

肉厚の唐辛子をローストして薄皮をむき、種を取り除いてミキサーにかけ、ペースト状にしたものをパスタ生地に練り込みました。風味と美しい色合いが楽しめます。パン生地などにも応用してみてはいかがでしょう。

D. 色々なハーブを使ったサルッチャとフレッシュトマト、青唐辛子のピッツァ

薄くスライスした唐辛子をのせたピッツァ。パスタやピッツァにアクセントがほしいときは、輪切りのトウガラシをトッピングするというのもアイデアです。ハラペーニョソースファンの方もお試しを。

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