メディア・スパイス！おすすめ！横浜・湘南で活躍するクリエイター達のVibesを感じよう！
One Love Spice! ワン ラブ スパイス！ verse4
Photo by JUN ISHIKURA
誰よりも繊細で強いマインドを持つクーピーペンシルの魔術師 TANTAN
3.11 東日本大震災。その時、TANTANは故郷の石巻市にいた。北上川沿いに建つ自宅は一階まで完全に浸水。約３日間、水は引かなかったそうだ。
普通ならば落胆するか、パニックになってもおかしくないような状況の中、彼はすぐに行動を起こす。自身の主催する『サーファーズバンク』にプールしてあった現金を全て日本赤十字社に寄付したのだ。『サーファーズバンク』とは、TANTANが制作したイラスト入りステッカー等の売り上げを団体が管理し、日本の綺麗なビーチを守るための活動や、波乗り等、ビーチでのイベントの運営をサポートするために援助するという、文字通り銀行のようなもの。本来ならば、海に関係する活動をサポートするのだが、この大震災、少しでも早い復興のため、自分のできることはなんでもしたかったのだと言う。
子どもの頃から絵を描くのが大好きだったTANTANが、クーピーペンシルと出合ったのは高校生の頃。当時から波乗りをしていた彼は、世話になっている先輩の結婚式に気のきいたプレゼントはないかと考えていた。高校生に出せる金額は知れている。そこで得意の絵をプレゼントしたのだ。クーピーペンシルは時が経っても、絵の具よりも色あせないという優れた特徴があり、結婚式のお祝いにはぴったり。それ以降、クーピーペンシルにこだわり、創作活動を続けている。
アーティストになってからの拠点はサーファー憧れの地、湘南茅ヶ崎。石巻の静かな海も大好きだが、ビーチに行けば誰かしら仲間がいて、一緒に波乗りを楽しんだ後はサンセットを見ながら語り合える、一年中にぎやかな茅ヶ崎の海は格別だと言う。茅ヶ崎に移ってから、にぎやかな絵が増えたというのも納得だ。
彼の創作活動のモチベーションは、絵でみんなを元気にすること。なんでもない日常も楽しくなるような、気持ちが明るくなる絵を描きたいと語るTANTANからは、柔らかくとても優しい物腰のなかに、非常に力強いエネルギーを感じた。その時の自分のマインドがストレートに絵に表れるから、悲しいことや気分が落ち込むようなことがあると、下書きさえ描けなくなるのだとか。だからまずは自分自身が楽しく、ピースなVIBESで毎日を過ごす。そうすれば描く作品から、見る人に楽しく、元気なメッセージが伝わる。そんなTANTAN作品の特徴は、鮮やかで美しい色彩に、繊細だが力強さが伝わってくる独特のタッチ。さらにもうひとつ挙げるとすると、それは虹だ。多くの作品に彼のトレードマークともいえる虹を見ることができる。見ているとなぜか楽しく、元気が出るのは、普段の生活ではなかなか見ることのできない、この虹の影響もあるのかも知れない。
今後はアーティストとしての活動はもちろんだが、未来を担う子どもたちの将来のために力を入れていきたいと言うTANTAN。そのために地元、石巻市の子どもたちに波乗りやキャンプ、創作活動や、アーティストと触れ合えるイベントなど、さまざまな経験をする機会を積極的に作っている。子どもたちにとってTANTANは石巻から湘南、そして未来に繋がる、優しくてとても大きな虹なのだろう。
SURFER'S BANK Information
東日本大震災の復興、そして未来の子供たちのためにも美しい海を守るTANTAN主宰の団体「サーファーズバンク」。
詳しくはこちらから。 http://ameblo.jp/surfbank/entry-10831847245.html
TANTAN（たんたん） 画家・イラストレーター
宮城県石巻市出身。地元、石巻市と第二の故郷、湘南茅ヶ崎に拠点をおいて幅広く活躍する画家・イラストレーター。クーピーペンシルを魔術師のように使いこなし、繊細且つ独特の鮮やかな色使いで描かれるポップでトロピカルな絵は、他に類を見ない独特な世界を醸し出している。アーティスト活動の他にも、美しい海を守り、未来に残すため「サーファーズバンク」を設立するなど、自然や子供たちのための活動も多数行なっている。
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