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クリエイターのインテリア
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クリエイターのインテリア

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上から左から
●リビング兼ダイニングの広いスペース。淡いブルーの壁がクラシックでエレガントな家具の数々にふんわりとマッチ。ガラス製のキャンドルを集めていて、友人をお招きする夜には部屋をろうそくの火でいっぱいにするとか。●小さい頃からイラストが大得意だったそう。後ろの肘掛椅子は張り替えを待ちながらパッチワークで遊びを。●玄関近くの廊下は、溜まってきた本を整頓する場所として改造したばかり。アルコーブ(ベッドをはめこむ壁のくぼみ)からヒントを得て、持っていた小ソファを活用して読書スペースにした。●パスカルさんの祖母が大切に使っていた長椅子や家に飾ってあった絵画。家具や小物をシンメトリーに配置すると調和感が生まれる。●溜まっていく香水瓶もこうして大胆な写真とコレクションとして見せる演出を。目を引きます。

パスカル・ローランさんはドロテ・ビス、クローディ・ピエルロといった有名デザイナーやプライベート用のインビテーション・カード、書籍の装丁などのデザインを手がけるイラストレーター。描く絵は静物画ばかりという彼女。プライベートなカードなら、その人の内側を知るためにまずはじっくり話を聞く。そして書籍や手紙、写真といった個人の思い出を表現するオブジェを描きながら、そのなかに個人の内にある記憶や思いを絵にしていく。こうして完成するイラストがトロンプ・ルイユ(だまし絵)。彼女お得意のテクニックである。

パリに生まれ、パリに育ったパスカルは、12年ほど前、それまで住んでいたパリ左岸の高級住宅地を離れ、ここ10区の庶民的な地区に自宅を購入した。「私は○○人街といった地区は嫌い。ここはフランス人、それにいろんな外国人が混じって、そのバランスがいいから好き」。人々がいそしく活動する商店街に立つ建物に彼女のアパルトマンはある。古く、典型的なパリのアパルトマン。入居とともに家の間取りを変えた。廊下などのスペースは部屋として組み入れ、少しでも広く使えるよう工夫している。

玄関に入るとまず印象的なのがオリジナルな色づかい。大きな窓に面した広いリビングの壁は淡く明るいブルーで広げ、扉など所々に引き締めるカラーとしてショコラ色を施している。そこにアクセントの赤色が映える。友人のアーティストに色選びを頼んだのだという。「最初から汚れやすいホワイトは避けようと思ったし、色があった方が楽しいから」。

この色づかいがところどころに置かれたアンティーク家具をきれいにまとめている。木の長椅子、シンメトリーに置かれた奥行きの薄い上品な本棚は祖母が好きで集めていた、ディレクトワール時代様式の家具。昔のままの肘掛椅子や壁にかけられた絵画も、彼女が幼い頃から見慣れたものばかりである。そこに現代的なスタルク・デザインの椅子やキッチュなオブジェが置かれ、すべてがミックスされている。クラシック過ぎず、アバンギャルド過ぎもしない、彼女らしい空間がここに完成している。「あの赤いシカのオブジェもそれだけ見れば変だし、一生そこにあるとは思わないけれど、部屋全体で見ればそこにマッチしてるでしょう」。

幼い頃から得意だったイラストが今の職業になってしあわせ、と話すパスカル。注文があれば、夜でも週末でも仕事をする。息抜きは料理。1週間に1度は食卓にきれいなテーブル・クロスをかけ、家族や友人を招いてワイワイと食事をする。毎度の料理の準備はカゴをさげてアパルトマンを降り、近くの馴染みの商店で材料をひとつひとつ吟味、購入することから始めるのだそうだ。

ソフィ・デイス&ジャン=クリストフ・ソレル パスカル・ローラン/
Pascale Laurent

TEXT:中平美紀 PHOTOS:Jacques Pepion
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